「ネクサバール®錠200mg」、切除不能な肝細胞癌への適応追加 日本でも承認
| ・ | 肝細胞癌に対して、全生存期間の延長を世界で初めて示した全身治療薬 |
| ・ | 全例調査の実施と厳格な適正使用の推進について、医療関係者への協力を要請 |
2009年5月20日
大阪、2009年5月20日 ― バイエル薬品(本社:大阪、社長:ジャン-リュック・ロビンスキー)は、本日、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌治療を目的として国内で販売中の「ネクサバール®錠200mg」(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)について、厚生労働省より、新たに切除不能な肝細胞癌の効能・効果で承認を取得しました。ネクサバール®は、腫瘍細胞増殖抑制と血管新生阻害の2つの作用により、癌の成長を抑制する経口の分子標的薬です。
肝細胞癌に対して全生存期間の延長を世界で初めて示した全身治療薬
肝細胞癌の治療法は、外科的切除、経皮的エタノール注入療法(PEI)や経皮的ラジオ波熱凝固療法(RFA)といった局所療法、肝動脈塞栓療法(TAE)や肝動脈塞栓化学療法(TACE)といった塞栓療法に加え、肝移植、動注化学療法、全身化学療法などがあり、腫瘍の大きさ、数、進行度や、肝機能の状態などによって、適切な治療法が選択されています。しかしながら、これまで、肝細胞癌に対して有意に生存期間の延長を示した全身療法はありませんでした。このたびネクサバール®に新たな効能・効果が承認されたことにより、世界で初めて肝細胞癌に対して全生存期間の延長を示した全身治療薬の使用が、日本でも可能になります。ネクサバール®は、欧米で実施された第Ⅲ相臨床試験(SHARP)において、プラセボ(偽薬)と比較して全生存期間中央値を44%延長(HR=0.69、p=0.0006)したことを受けて、2007年10月に欧州で肝細胞癌、11月に米国で切除不能な肝細胞癌の適応で承認を取得し、現在世界60カ国以上で同疾病の治療薬として販売されています。日本では、2007年9月に肝細胞癌への適応を申請、2008年1月に厚生労働省より優先審査指定を受けていました。
満たされていない医療ニーズに応えるネクサバール®
日本において、原発性肝癌はがんによる死因の第3位であり、その95%は肝細胞癌です。毎年約4万人が新たに肝がんと診断され、年間約3万5000人が死亡しています。肝癌の多くはB型及びC型肝炎ウイルスへの感染が原因であり、日本ではC型肝炎ウイルスへの感染によって起こる肝癌が、全体の約7~8割を占めています。肝癌は、初期治療によって一旦消失させることはできても、その治療は肝炎ウィルスなどの肝癌の原因そのものを駆除するものではないため、肝臓内の他の部位に新しい癌が発生するリスクが高く、遠隔転移も含め、しばしば再発を繰り返し進行します。そのため、再発または進行した病期におけるさまざまな治療の選択肢が求められてきました。ネクサバール®は、これまで有意に生存期間の延長を示す全身治療薬がなかった切除不能な肝細胞癌の患者さんにとって、新たな治療の選択肢となります。
このたびの適応追加に際し、バイエル薬品株式会社 ジャン-リュック・ロビンスキー社長は以下のように述べています。「肝細胞癌に対して、これまで生存期間の延長を示した全身治療薬はありませんでした。ネクサバール®の適応追加により、治療の選択肢が増えると共に、エビデンスに基づいた治療の標準化により、最適な治療の実現に貢献できることを期待しています。バイエル薬品では、昨年1月に肝細胞癌の早期診断に寄与するEOB・プリモビスト®注シリンジを発売していますが、今後、肝細胞癌の診断と治療の両域において患者さんや医療関係者の皆様により一層貢献できるよう努めてまいります」。
安全性対策について
ネクサバール®の適応追加承認条件として、肝細胞癌患者を対象として全例調査を行うことが義務付けられています。バイエル薬品では、この全例調査ならびに適正使用推進策の実施に際し、広く医療関係者・医療機関・関係団体に対し、協力要請をしてまいります。また、ネクサバールによる肝細胞癌治療について正しくご理解いただくことを目的として、ネクサバール総合情報サイト(http://www.nexavar.jp/)において、適正使用や安全性に関する情報を提供してまいります。肝細胞癌について
肝細胞癌は、肝癌でもっとも一般的ながんで、成人の原発性肝悪性腫瘍の約90%を占めています。肝癌は、世界で6番目に罹患率の高いがんで、がん死の原因の第3位です。世界で毎年、60万人以上の患者さんが肝癌と診断され(中国・韓国・日本で約400,000人以上、欧州で約54,000人、米国で約15,000人)、罹患率は上昇しています。2002年の統計では、約60万人が肝癌で亡くなっています。(中国・韓国・日本で約 370,000人、欧州で57,000人、米国で約13,000人)。また、慢性B型・C型肝炎感染症は、世界的に、原発性肝癌の原因の第1位です。アジア太平洋地域では、全人口の8%以上がB型肝炎、2~4%がC型肝炎に感染しています。
ネクサバールに特徴的な作用機序
経口抗癌剤「ネクサバール」は現在、肝癌に対して60カ国以上、また進行性腎細胞癌に対して70カ国以上で承認されています。ネクサバールは、腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両者を抑制します。非臨床試験において、ネクサバールは細胞増殖と血管新生のそれぞれに関与する2種類のキナーゼ群に作用することが示されました。具体的には、Rafキナーゼ、VEGFR-1、 VEGFR-2、 VEGFR-3、PDGFR-B、 KIT、 FLT-3、RETなどが対象となります。ネクサバールに関する治験では、複数の企業、国際治験グループ、政府機関、医師主導により、さまざまな種類のがんを対象として、単剤または幅広い種類の抗がん剤との併用が検討されています。その中には、乳癌の治療、及び腎細胞癌、肝臓癌のアジュバント療法が含まれています。<ネクサバール®錠200mgの製品概要>
| 製品名 | ネクサバール®錠200mg |
| 一般名 | ソラフェニブトシル酸塩 |
| 製造販売承認日 | 2008年1月25日 |
| 効能追加 | 2009年5月20日 |
| 製造・販売 | バイエル薬品株式会社 |
| 効能・効果 | 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 切除不能な肝細胞癌 |
| 用法・用量 | 通常、成人にはソラフェニブとして1回400mgを1日2回経口投与する。 なお、患者の状態により適宜減量する。 |
| 薬価 | ネクサバール®錠200mg 5426.2円/錠 |
バイエル薬品株式会社について
バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、バイエル・シエーリング・ファーマ(医療用医薬品)、コンシューマーケア(一般用医薬品)、ダイアベティスケア(糖尿病ケア製品)、動物用薬品(コンパニオンアニマルおよび畜産用薬品)の4事業からなるヘルスケア企業です。2007年7月1日にバイエル薬品内に設立されたバイエル・シエーリング・ファーマ事業本部は、診断薬、プライマリーケア、オンコロジー、スペシャリティケア、ウイメンズ ヘルスケアの5領域に注力しています。バイエル薬品株式会社は、その革新的な製品で、日本のスペシャリティ医薬品市場におけるリーディングポジションを目指しています。そして、新しい発想と高い専門性を持つ人材を活かして医療の進歩に貢献し、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に努めます。バイエル薬品ホームページ : http://www.bayer.co.jp/byl
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。



