多発性硬化症(MS)早期段階でのベタフェロン®治療開始
不可逆的障害への進行を顕著に遅延
2007年6月4日
去る5月16日から18日まで名古屋で開催された第48回日本神経学会総会において、BENEFIT(BEtafereon® in Newly Emerging multiple sclerosis For Initial Treatment)試験の3年次の結果が、日本で初めて発表されました。発表によれば、多発性硬化症(MS)が疑われる初回の臨床症状を呈した患者さんにおいて、直ちにベタフェロン®による治療を開始した場合、治療開始を遅らせた場合と比べて、総合障害度(EDSS: Expanded Disability Status Scale)評価における永続的な神経学的障害の
進行リスクを3年間で40%低下させることが明らかになりました。この発表は、5月1日の第59回米国神経学学会(AAN)年次総会(マサチューセッツ州ボストン市)での発表内容に基づいています。
当BENEFIT試験では、MSが疑われる初回の発作直後にベタフェロン®が投与された患者群と、最初はプラセボが投与され、2回目の臨床徴候(すなわち、臨床的に確実なMSの診断)を示すか、あるいは2年間のBENEFIT試験の終了後に、遅れてベタフェロン®治療を開始した患者群についての比較が行われました。
日本神経学会総会では、ヴィタ・サルート・サン・ラッファエーレ大学科学研究所(ミラノ/イタリア)神経学・臨床神経生理学の責任者であり医師のジャンカルロ・コミ教授が、「Maximising the benefits of MS treatment: early intervention with high efficacy IFN beta therapy(MS治療の有用性を最大化:有効性の高いインターフェロンベータ治療による早期介入)」と題した講演を行い、BENEFIT試験に関するデータを発表しました。コミ教授は、「BENEFIT試験の結果は、MS治療の礎となります。MSが疑われる初回の臨床症状を呈した患者さんにおいて、直ちにベタフェロン®による治療を開始すれば、神経学的障害の進行を遅らせることができることを、初めて裏付けることになりました。当試験結果は、MSへの進行を待たず、早期からベタフェロン®による治療を開始することが重要であることを示しています」と述べ、ベタフェロン®の有効性を高く評価しました。
日本シエーリングの執行役員 治療薬事業部長の宮澤友明は、「BENEFIT試験で、
画期的な結果が引き続き得られていることに大変満足しています。当試験は厳格な管理のもとで実施されており、効果的な治療を早期に開始するほど、良好な治療成績が得られるという考えを裏付けるものです。神経内科の先生方が、MS患者さんにベタフェロン®の早期治療の必要性を説明される際に有用なデータとなるでしょう」と、述べています。また、独立行政法人国立病院機構 宇多野病院名誉院長の齊田孝彦先生は、「日本人の患者さんにおいても、MSにおける早期治療の開始の重要性に
確信を持たせる発表でした。この結果は、医療の場に大きな影響を与えると思われます」と強調しました。
BENEFIT試験について
BENEFIT試験は、20カ国の98施設において、MSが疑われる初回の臨床症状を呈する患者さんを対象に実施された多施設試験です。MSが示唆される脱髄症状を呈した患者さん計468例を、二重盲検形式で、無作為にインターフェロンベータ1b(ベタフェロン®)800万国際単位又はプラセボを隔日皮下注射、またはプラセボのいずれかに
割り付けています。プラセボ対照治療の期間は、最高で24カ月まで、または患者さんが臨床的に確実にMSと診断を受けた時まで継続されました。次に、試験の参加者全員にベタフェロン®による追跡試験(BENEFIT追跡試験)、すなわち、ベタフェロン®の治療開始時期の違いが疾患の長期経過に与える影響について、合計で5年の観察期間にわたり、前向きに評価(プロスペクティブに評価)する試験への参加が依頼されました。
MSが疑われる初回の発作から3年間の患者さんに対する前向き解析(プロスペクティブ解析)の結果は、MSの初発症状発現後直ちにベタフェロン®による治療を開始することにより、EDSS(Expanded Disability Status Scale: 総合障害度)進行までの期間を3年にわたり40%遅らせ、臨床的に確実なMSへの進行のリスクを41%減少させたことを示しています。当結果は、昨年発表されたプラセボ比較BENEFIT試験結果を
裏付けています。
この3年間に73%の患者さんが、MSが疑われる初発の発作後にベタフェロン®治療を行いました。
ベタフェロン®について
ベタフェロン®皮下注は、多発性硬化症の再発回数を減少させ、病状の進行を抑制し、再発の重症度と頻度を軽減させることが臨床試験で確認されています。日本では2000年9月に「多発性硬化症の再発予防と進行抑制」の適応で承認されました。用法・用量は「通常、成人には800万国際単位を皮下に隔日投与(2日1回)する」と
されており、患者自身が注射をする自己皮下注射製剤です。ベタフェロン®皮下注は在宅療法による多発性硬化症の治療を可能にしました。
日本シエーリングについて
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日本シエーリング株式会社は、本年7月1日をもって、バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、社長:ジャン-リュック・ロビンスキー)と統合し、社名がバイエル薬品株式会社に変わります。



