ネクサバール® :日本で肝細胞癌に対する適応を追加申請


2007年10月2日

2007年10月2日 ― 大阪 バイエル ヘルスケア社とオニキス・ファーマシューティカル社が共同開発した抗がん剤「ネクサバール®」(一般名:Sorafenib/ソラフェニブ)は、現在、国内で腎細胞癌を適応症とした承認申請の審査が進んでいますが、バイエル薬品(本社:大阪、社長:ジャン-リュック・ロビンスキー)は、9月末、肝細胞癌に対する適応についても追加申請しました。

肝細胞癌を対象として欧米で実施された第Ⅲ相臨床試験(SHARP試験)の結果は、今年6月に米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で公表され、ネクサバールを服用した肝細胞癌の患者さんの全生存期間が、プラセボ(偽薬)を服用した患者さんと比較して 44% 延長したという結果が報告されました。この成績を基に、欧米では本年6月に追加申請を行ない、現在承認審査中です。なお、米国では、FDAにより優先審査品目に指定されています。さらには、中国、韓国、台湾の同患者さんを対象とした試験でも、全生存期間および無増悪期間の延長が確認され、中国などでもネクサバールの肝細胞癌への適応拡大を申請中です。

「日本の肝癌診療ガイドラインには、肝細胞癌に対する標準治療としての全身化学療法は未だ確立されていないと記されています。SHARP試験において、統計学的に有意差をもって全生存期間の延長が示されたことは、臨床的に有意義であり、エビデンスに基づいた全身化学療法を行いうる薬剤がようやく登場したことは喜ばしいことです」と、山口大学名誉教授、社会保険下関厚生病院院長の沖田 極先生は述べています。

肝細胞癌は肝癌でもっとも一般的なもので、成人の原発性肝悪性腫瘍の約90%を占めています1,2。肝癌は、世界で6番目に罹患率の高いがんで、がん死の原因の第三位です3。世界で毎年、60万人以上の方が肝癌と診断され3(米国で約19,000人4、EU諸国で約32,000人5)、2002年の統計では、約60万人が肝癌で亡くなっています6(中国・韓国・日本で約 360,000人、米国で約13,000人)。肝癌の原因としては、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスによる慢性的な感染が挙げられています。


ネクサバールに特徴的な作用機序
ネクサバールは、腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両者を抑制します。非臨床試験において、ネクサバールは細胞分裂と血管新生のそれぞれに関与する2種類のキナーゼ群に作用することがわかりました。具体的には、Rafキナーゼ、VEGFR-2、VEGFR-3、 PDGFR-β、 C-KIT、 FLT-3などが対象となります。また、肝細胞癌の増殖抑制には、Raf/MEK/ERK経路の阻害が関与している可能性が、非臨床試験において示唆されています。


ネクサバールについて
ネクサバールは、現在、欧米諸国を含む50ヶ国以上で進行性腎癌を適応として承認されています。欧州では、インターフェロンαまたはインターロイキン-2による治療が無効であったか、あるいはこれらの治療が不適当と判断された進行性腎細胞癌の患者さんに対し使用が認められています。また、ネクサバールは、企業、国際治験グループ、政府研究機関、あるいは私立研究機関により、単剤投与または併用療法で上記癌腫以外に悪性黒色腫、乳癌、非小細胞肺癌など広範囲のがん腫に対する適応が試験されています。


バイエル ヘルスケアについて
バイエル社の子会社であるバイエル ヘルスケア社は、ドイツ、レバクーゼンを本拠とする、ヘルスケアと医薬品業界の革新的なリーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、コンシューマーケア、ダイアベティスケア、医療用医薬品の分野に及びます。このうち、医療用医薬品事業は、バイエル・シエーリング・ファーマ社の名称で運営されています。バイエル ヘルスケア社の目標は、人類と動物の健康を促進する製品を開発し製造することです。


バイエル・シエーリングファーマについて
バイエルグループの一員であるバイエル・シエーリング・ファーマ社は、世界的なスペシャリティ医薬品企業です。画像診断薬、血栓止血領域、オンコロジー、プライマリーケア、専門治療領域、ウイメンズ ヘルスケアの6領域に注力し、研究開発及び事業活動を展開しています。バイエル・シエーリング・ファーマ社は、その革新的な製品で、世界のスペシャリティ医薬品市場における主導的ポジションを目指します。そして、新しいアイディアを活かして医療の進歩に貢献し、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に努めます。
www.bayerscheringpharma.de


バイエル薬品について
バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、バイエル・シエーリング・ファーマ(医療用医薬品)、コンシューマーケア(一般用医薬品)、ダイアベティスケア(糖尿病ケア製品)の3事業から成ります。バイエル・シエーリング・ファーマ事業は、2007年7月1日に発足し、診断薬、血栓止血領域、オンコロジー、プライマリーケア、専門治療薬、ウイメンズヘルスケアの6事業を営みます。画期性製品の販売を通じて、バイエル薬品は、国内のスペシャリティ医薬品市場でリーディングポジションに立つことを目指しています。新しい発想と高い専門性をもつ人材により、医療の発展と、QOL(生活の質)の改善に努めます。
URL:http://www.bayer.co.jp/byl


将来に関するステートメント
本ニュースリリースは、バイエル・グループの経営幹部による現時点での想定と将来予測に基づき将来に関するステートメントを包含していますが、未知・既知の種々のリスク、不確実要因、ならびにその他の要因により、当社の実際の将来業績、財務状況、推移や業績と、本ニュースリリースの予測との間に乖離が生じる可能性があります。フランクフルト証券取引所、および米国証券取引委員会(Form20-Fを含む)に提出した当社の公開報告書に説明されているものもこれらの要因に含まれます。当社は将来の出来事あるいは推移に順じてこの将来に関するステートメントを更新したり、あるいは適合させたりする責任を一切負いません。


参考文献
1. World Health Organization. Hepatitis B. Available at: http://www.who.int/csr/disease/hepatitis/whocdscsrlyo20022/en/. Accessed April 10, 2007
2. Penn State Milton S. Hershey Medical Center College of Medicine. Malignant Hepatoma. Available at: http://www.hmc.psu.edu/healthinfo/m/malignanthepatoma.htm. Accessed April 10, 2007.
3. International Agency for Cancer Research. GLOBOCAN 2002. Available at: http://www dep.iarc.frr. Accessed April 23, 2007.
4. Jemal A et al. CA Cancer J Clin. 2007;57:43-66.
5. International Agency for Cancer Research. EUCAN 1998. Available at: http://www-dep.iarc.fr/eucan/eucan.htm. Accessed April 26, 2007.
6. Ferlay J, et al., GLOBOCAN 2002. Cancer Incidence, Mortality and Prevalence Worldwide. IARC CancerBase No.5, Version 2.0. IARCPress, Lyon, 2004. Available at: http://www-dep.iarc.fr. Accessed April 10, 2007.



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